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志多留の米づくり

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穂肥

こんばんは。しげです。

先日出穂した稲たちですが、よくよく観察してみると日当たりのいいところ、特に水温の高かった場所はどんどん出穂しておりました!
穂肥_f0342227_00183279.jpg
志多留の田んぼでは収穫の早い「コシヒカリ」とそれより少し遅い「ヒノヒカリ」という2種類のお米を作っています。
今回出穂したのは「コシヒカリ」。早生(わせ)の品種です。
このコシヒカリ、9月には収穫可能ということで、台風のシーズン前に収穫できることから、
対馬では、結構たくさん作られています。
ただ、地元の方が言うことには、早米よりも遅米のほうがおいしい!!とのこと。
米づくり3年目の志多留田んぼですが、初のコシヒカリはどうなのか…ヒノヒカリと味比べをせねば!ですね!

一方で、ヒノヒカリはどんな状態かというと…
穂肥_f0342227_00183594.jpg
こんな感じ!分かりますか?稲の根元の切断面なのですが、よーく見ると小さな穂のあかちゃんが…1cmほどでしょうか?
この長さで大体出穂18日まえだそうですよ。
さて、こんな風に穂が作られていくわけですが、稲が何を合図にして、穂を作り出すか知っていますか?
積算温度、日照時間…さまざまな要因が影響していますが、その一つに、土の養分量があります。
稲は、土の中の養分を吸って育ってるわけですが、その養分が減ってくると
「やばい!葉っぱ伸ばしてる場合じゃない!子孫を作らなきゃ!!」
とあわてて花を作り実を、そして種を作る成長に切り替わるわけです。
中干し(一度水を切らすこと)もそのために行うようですね。(土の中に空気を送るためという意味もあるようですが)

慣行農法ではちょうど今の時期が穂肥の時期になります。
穂肥とは、穂の充実を図るためにまく肥料のことで、出穂18日前と12~11日前、2回に分けて行います。
穂を作るまえの段階で、土の中の養分は多くが使われてしまっているわけですから、穂肥をすることで、実の充実を図るわけです。
ただし、化学肥料に関しては、その流出量が問題になっています。
肥料をまいて、植物がつかえるのはその内の半分程度だと言われているそうで、
残り半分はそのまま海へ流れて行ったりと環境負荷の原因とも言われます。
今回は、収量が心配な部分だけに穂肥を行いました。
使ったのは化学肥料ではなく有機性のものです。
(種まきをした際に蒔いたものと同じものです。)たくあんのようなにおいがします。

穂肥をした田んぼは、今年3年目の田んぼなのですが、やはり養分が減ってきているようで、今年から作り始めたところに比べると、色が薄いんですよね…
しかも雑草の多さとも重なって…
雑草に関しては、除草がなんとか終わったので、あとは穂が出るだけ…なのですが、どうなるでしょう。
田んぼの養分量や稲の成長具合は一様ではなくて
同じ耕作年数、同じ品種、同じ栽培手法の場所でも、稲の育ちが全然違ったりもするのです。
その違いには農業普及員さんも首をかしげるほどで、
その田んぼ1枚1枚に性格があるようで、何年も継続的に見ていくと、その特徴もわかってくるようです。
今年、収穫後に土壌分析をしてみようかと考え中です。

そんなこんなでいろいろアクシデントも起きた今年の夏ですが、
天候には恵まれ、例年に比べ虫もいないようなので、何とか収穫までこぎつけられそうです!
普及員さんにもこのままいけばおそらく大丈夫だとお墨付きももらいました♪
穂肥_f0342227_01181782.jpg
ヒノヒカリの出穂は今月末になりそう…
穂が出たらまた報告します!

投稿者:しげ

by hakucho_san | 2014-08-18 00:20 | 農作業